ファッションアドバイザーの接客において、洋服生地の知識は欠かせません。
ここでは、洋服によく使われる生地をまとめてみました。
<綿生地>
綿は洗濯などが簡単で、とても取り扱いがしやすい生地で吸水性もよく、夏場など汗をよくかく時期などに重宝します。値段も手頃なので、洋服生地には良く用いられます。ただ水につけると地の目方向に縮みますので、その点だけご注意下さい。(サンフォライズド加工といって、防縮処理された生地もあります。)
ブロード
生地名/ブロード(broad)
色の種類/すごく多い
厚み/薄手
価格/安い
組成/綿100%または綿×ポリエステル
洗濯/普通に洗濯機で可能
アイロン/高温(180°~210°)
説明/高級感が有り、ポリエステルが入っているものはしわになりにくいので、薄手でシャツなどによく使われます。色数も多いので、ある程度の色再現が可能です。
シャツ以外でも、着物(単衣、羽織り等)を作る時の生地としてよく使います。
実際の使用例/シャツ、薄手エプロン
チノクロス
生地名/チノクロス (chino cloth)
色の種類/多い
厚み/中肉
価格/やや安い
組成/綿100%
洗濯/普通に洗濯機で可能
アイロン/高温(180°~210°)
説明/ブロードより厚手で色数も豊富、生地の表面に斜めの畝(うね)があり、発色も良いので、色数が豊富で洗濯も簡単なので、洋服製作で一番良く使う生地です。ブロードでは、多少透けるのでそれを嫌う場合は、こちらを選ぶのも選択肢の一つです。
実際の使用例/スラックス、ブルゾン
オックス
生地名/オックス(ox)
色の種類/多い
厚み/中肉
価格/やや安い
組成/綿100%
洗濯/普通に洗濯機で可能
アイロン/高温(180°~210°)
説明/厚みはチノクロスと同じくらいで、チノクロスは綾織なのに対して、こちらは平織り、そのため表面の畝(うね)が横方向になっています。こちらも色数が豊富なので、チノクロスで色が無い場合は、色目重視でこちらを選ぶ場合もあります。
実際の使用例/シャツ、ブルゾン
カツラギ
生地名/カツラギ(katsuragi)
色の種類/普通
厚み/厚手
価格/普通
組成/綿100%
洗濯/普通に洗濯機で可能
アイロン/高温(180°~210°)
説明/チノクロスと同じく斜め畝(うね)があり、綿素材では厚手の分類に入ります。しっかりした素材なので、シルエットを保ちたいデザインの衣類に使用します。
実際の使用例/スカート、ブルゾン
デニム
生地名/デニム(denim)
色の種類/普通(カラーデニムなど)
厚み/厚手
価格/普通
組成/綿100%
洗濯/普通に洗濯機で可能(色落ちする為、他の物とわけて洗濯)
アイロン/高温(180°~210°)
説明/シーンズなどで有名な素材で、色落ちには要注意です。
実際の使用例/ジーンズ、ジージャン
<ウール生地>
保温性に優れた素材なので、夏場は避けた方が無難です。洗濯など取り扱いに注意しなければならず、生地自体の値段も高いです。そのままではチクチクするので、素肌に触れる場合は裏地を付ける必要があります。
サマーウール(トロピカル)
生地名/サマーウール(tropical)
色の種類/普通
厚み/薄手
価格/高い
組成/毛100%
洗濯/クリーニング。家庭で洗う場合は専用洗剤で優しく手洗い
アイロン/中温(140°~160°)
説明/夏場用のウールで、比較的薄手なので通気性に富み、スーツなどにもよく使用されます。
実際の使用例/ベスト、スカート
フラノ
生地名/フラノ(flano)
色の種類/普通
厚み/厚手
価格/高い
組成/毛100%
洗濯/クリーニング。家庭で洗う場合は専用洗剤で優しく手洗い
アイロン/中温(140°~160°)
説明/生地を織ったあとで生地の表メインを毛羽立たせ物で、ソフトな感触で保温性が高く、同じ製法で綿を使った物はフランネルと言います。
実際の使用例/ジャケット、ベスト、スカート、コート
ジョーゼット
生地名/ジョーゼット(georgetto)
色の種類/多い
厚み/中肉
価格/高い
組成/毛100%
洗濯/クリーニング。家庭で洗う場合は専用洗剤で優しく手洗い
アイロン/中温(140°~160°)
説明/梨地織りでソフトな質感です。
実際の使用例/ジャケット、ベスト、スカート
<ストレッチ生地(編み地、ニット)>
フライス(リブ)
生地名/フライス(rib)
色の種類/普通
厚み/中肉
価格/やや安い
組成/綿100%
洗濯/普通に洗濯機で可能
アイロン/高温(180°~210°)
説明/フライスよりリブという呼び方が一般的で、ジャージやトレーナーの袖口や裾部分に付いている物です。ただ身頃本体と色を揃える必要がある場合が多いので、うまく色が合った時だけ使います。
実際の使用例/袖口、裾、襟のリブ
鹿の子ニット
生地名/鹿の子ニット(kanoko knit)
色の種類/少ない
厚み/中肉
価格/普通
組成/綿など
洗濯/普通に洗濯機で可能
アイロン/組成による
説明/ポロシャツに使われている生地で、清涼感があり通気性にも優れています。
実際の使用例/ポロシャツ
スムースニット
生地名/スムースニット(smooth knit)
色の種類/普通
厚み/やや薄手~普通
価格/普通
組成/綿
洗濯/普通に洗濯機で可能
アイロン/高温(180°~210°)
説明/特徴は裏表ともに同じ外観になるところです。ストレッチ素材の中では色数が豊富なので、色目を重視する場合はこれを選ぶと良いでしょう。また、厚みが欲しい場合や透ける場合は、2重にして使うこともあります。
実際の使用例/カットソー
<化学繊維生地>
化学繊維は人工でつくられた繊維で、年々その種類や機能が増えてきています。中でもナイロン、アクリル、ポリエステルは、三大合成繊維と言われており、特徴は軽く、火に燃えにくく溶けてしまう所です。ただ吸水性に乏しいので、汗は吸いにくいです。
サテン
生地名/サテン(satin)
色の種類/多い
厚み/やや薄手
価格/安い
組成/ポリエステル100%か絹100%
洗濯/普通に洗濯機で可能
アイロン/中温(140°~160°)
説明/最高級品はシルク100%でウェディングドレスなどにも用いられます。表面はなめらかで強い光沢があり、好みの分かれる素材です。
実際の使用例/シャツ、ドレス
ナイロン
生地名/ナイロン(nylon)
色の種類/普通
厚み/薄手~厚手まで多様
価格/普通
組成/ナイロン100%
洗濯/普通に洗濯機で可能
アイロン/低温(80°~120°)
説明/なめらかな光沢があり、半透明に見えます。静電気を帯びやすいです。
実際の使用例/ウィンドブレーカー、防寒着
オーガンジー
生地名/オーガンジー(organdie)
色の種類/多い
厚み/凄く薄手
価格/普通
組成/ナイロン、ポリエステルなど
洗濯/手洗い程度
アイロン/不可
説明/シルクでできているものは、特にシルクオーガンジーと言われます。張りがあり、薄くて透ける素材です。
実際の使用例/ブラウス、ストール
タフタ
生地名/タフタ(taffeta)
色の種類/普通
厚み/薄手~中肉
価格/安い
組成/ナイロン
洗濯/普通に洗濯機で可能
アイロン/低温(80°~120°)
説明/シルク製もありますが、ナイロン製が一般です。こちらではパニエの土台によく使用します。
実際の使用例/パニエ
<合皮>
革のアイテムを作る場合は本来、本革を使うのが質感もでて一番良いのですが、革本体の費用と縫製が難しい為費用がかさんできます。そのような場合に合成皮革を使用します。表面の質感にもいろいろあって、艶のない物(ゴム系)から表面にヘビ柄の型押しをしたものなど、多種多様です。
エナメル
生地名/エナメル(enamel)
色の種類/少ない
厚み/中肉
価格/高い
組成/表:ナイロン 裏:ポリウレタンなど
洗濯/軽く手洗いもしくは拭き洗い程度
アイロン/不可
説明/独特の光沢があるので、好みの分かれる生地です。
実際の使用例/靴、ベルト、バック、ジャケット
ソフトレザー
生地名/ソフトレザー(soft leather)
色の種類/やや少ない
厚み/中肉~厚手
価格/高い
組成/ポリウレタン×ナイロン
洗濯/軽く手洗いもしくは拭き洗い程度
アイロン/不可
説明/柔らかい質感で、合皮の中では比較的縫いやすい生地です。色数が豊富なので、合皮では一番よく使用されます。
実際の使用例/靴、ベルト、バック、ジャケット
<起毛素材生地>
表面を毛羽立たせた素材で、これで洋服を作ると高級感が出ますが、生地もその分高いです。
別珍
生地名/別珍(velveteen)
色の種類/やや少ない
厚み/中肉
価格/高い
組成/綿100%
洗濯/普通に可能
アイロン/不可
説明/手触りが柔らかく、光沢や色調も美しく保温性もありますが、色数が少ないです。
実際の使用例/ベスト、ジャケット
ベルベット(ビロード)
生地名/ベルベット(velvet)
色の種類/少ない
厚み/中肉
価格/すごく高い
組成/レーヨン
洗濯/ドライクリーニングのみ
アイロン/不可
説明/大変豪華な外観の生地ですが、その反面裁断、管理、縫製が困難なため、全体の製作費は高くなります。色数が少ないので、微妙な色再現には向きません。
実際の使用例/ベスト、ジャケット