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ユニクロ潜入一年という本があるけれど
こんにちは。
アパレル・雑貨販売業界で働いている皆様を応援するエスピー企画です。
「ユニクロ潜入一年」が会社で話題に
この度、会社で「ユニクロ潜入一年」という本の話題が出てきたので、私も実際に読んでみることにしました。
ルポライターをやっている筆者が、ユニクロの3店舗にアルバイトとして働いて実態を週刊誌に掲載したものが原本のようです。
その原本を本にまとめるにあたって、かなりの加筆修正をしたそうです。
この本については、かなりユニクロに批判的に書かれています。
特に経営者の柳井社長の責任を追求するような文章も多いです。
エスピー企画でこの本を読んだ人の多くは「まぁ、こんなもんだよね。」という感想だったようです。
私も読んでみましたが、ユニクロほどの大企業だったら当然そうなるだろうという内容でしかありませんでした。
サービス残業について
ネタバレしない程度に本の内容について述べます。
店長が、規定時間内ではとても終わらない量の仕事に忙殺されているために、退勤のタイムカードを押した後に仕事をしていたり、休日なのに出勤して仕事をしているそうです。
そのサービス残業分も加えると、月間300時間以上も残業をしている店長がざらにいるとの事だそうです。
サービス残業については、300時間にもなると厳しいと思いますが多かれ少なかれどの会社もあるでしょう。
利益を出すためにはそうせざるを得ないのでしょう。
長時間労働が常態化しているというニュースが時々流れていますが、ニュースになっている会社は優良企業である事が多いですよね。
エスピー企画の営業にしても、派遣スタッフと一緒にお昼ご飯を食べたり、シフト終了後飲みに行く事もあります。
これも立派な仕事になりますが、お昼ご飯を食べていた時間は休憩としてカウントしますし、飲み会を残業として申請するはずもありません。
店の都合によるシフト管理など
また、経費(人件費)を抑えるために、出勤するスタッフを可能な限り少なくしておいた上で、店が混雑した時には出勤を依頼するなど出勤調整をする事もあるそうです。
逆に、出勤している時にお店が暇になってしまえば勤務終了になってしまう事もあるとか。
厳しい事を言うようですが、ユニクロは慈善事業ではなくビジネスをしているのです。
出勤調整をして無駄な経費を極力使わず、売上げを伸ばしていくのは当然の事です。
アルバイトの学生やパートの主婦は、空いている時間に仕事をしたくて応募をしてくるのですが、実際には都合良く仕事ができないそうです。
ユニクロほどの大企業であれば、そのような内容の契約を結んでいるはずです。
もし、自分が仕事をしたい時だけ仕事をするというのであれば、フリーランスとして働くのが一番早いです。
ユニクロのビジネスモデルは革新的
ユニクロのビジネスモデルは、アパレル業界の中でも革新的なものだったのです。
アパレル業界は、フリースの大ヒット等で業界的地位が向上してきた時にも「こんなビジネスモデルが成功するはずが無い」と言っていたものです。
最初の内は、低価格だけれども低品質だったから何とかやっていけてました。
ところが低価格を武器に、徐々に低品質から高品質へと変わっていきました。
基本的に高品質のものを提供しようと思ったら、高価格にしていかなくてはなりません。
そして、高い価格ではある程度のスキルを持った販売スタッフを確保するためにも、人件費も確保しなくてはなりません。
本にも書いてありましたが、中国等の工場に低価格で商品を製造しているそうです。
基本的に低価格であるのに、原材料はそれなりに良い物を使っているので、それ以外の所を必要最低限にしなければ利益など出ません。
でもユニクロは減益になったりはするものの、利益を出し続けている一流企業なのです。
今までのアパレル業界での考え方では真似できない革新的ビジネスモデルなのです。
ユニクロのビジネスを表面的に真似たアパレル業界の末路
最初の内は、アパレル業界関係者はファストファッション、ユニクロはあんなのはビジネスでは無いと言って相手にしていませんでした。
ところが、ここまでユニクロが成功してくるとアパレル業界も徐々に押されてきます。
多くのアパレルがユニクロの低価格に対抗しようとします。
しかし、ビジネスモデルの本質を見ずに低価格だけで対抗しようとします。
人件費や製造過程等の見直しをあまり考えない会社が多かったのです。
結果的には、低価格だけれども低品質なものばかり作るようになってしまいました。
ここで、人件費を絞るだけ絞ったり、製造過程でのコストダウン等を徹底的にやっていれば違うものになっていたかもしれません。
結局の所、どこにも安いけれども同じような服しか置いていないというような現状になってしまいました。
アパレル業界は、販売スタッフの働く環境や、商品を発注する工場の利益等も考えてしまったのが良くなかったのだと思います。
ビジネスをしている以上、何においても利益追求をしていたらユニクロに対抗できる業界になっていたかもしれませんね。
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